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シェフがゆく! レストランの人気を支え、お客様に笑顔をもたらす“料理人”。美味しさの担い手であるシェフたちの知られざる素顔に迫ります。

第63回 お客様それぞれの想いに応えてくれる本格派フレンチのシェフ 吉川 知秀 シェフ 神戸住吉オーガニックカフェTOKI

吉川 知秀 シェフ吉川 知秀 シェフ

旬の味とオリジナリティーにこだわった創作料理を展開。食材の味を最大限に引き出すことにこだわる安達博之シェフから、次のシェフへのお題はゆりね(百合根)。「季節的によく目にする和の食材ですが、フレンチのシェフがどう使いこなして、新たな一品を作り上げてくださるのか。大いに期待しています」。受けて立つのは、最近、日本料理に興味を持ち始めたという吉川知秀シェフ。予想外の一品、そして手軽さとおいしさで、「作ってみよう!」と多くの人が思うのでは…。気持をやさしく、温かくしてくれる、シェフの人柄が感じられるおいしさです。

安達 博之 シェフ前回のシェフ!安達 博之 シェフ

シェフに聞く

1 シェフのこだわり
「お子さまから高齢の方まで、おいしく楽しい食事のひと時を」
フレンチの料理人になると決めてから、とにかく少しでも知識を増やし、技術を身に付けたいと、会員制クラブやホテルなどで修行しながら、常に次の目標に向って進んできました。そして念願かなって自分の店を出す時には、それまで培った技で最高の料理をお客様に楽しんでいただこうと、そればかりでした。
でも出店してからしばらくして、大切なことに気が付いたのです。街のフレンチレストランとして、多くの方に喜んでいただくには、お客様の立場に立った料理を考え、工夫していくことも大切だと。フレンチの技を活かしながら、この街のこの店ならではのお料理をご提供する。それこそが料理人として次に目指すものではないか……。料理とは本当に深くて広がりのある、無限の可能性のあるものだと、お客様と接するうちにあらためて学ばせていただきました。だから当店では、若い女性やお子さまが好きなパスタもなどもご用意しました。フレンチの技でパスタを作ってみたのです。おかげさまで皆さんから喜ばれ、料理人としての幅が持てたように思います。
2 シェフの得意とすること〈料理・技〉
「毎日、変わらぬ最高のコンソメを作り続けること。ありふれた食材に最高の価値を与えること」
ホテルオークラ神戸では、スープ場に配属されました。大きなホテルのレストランは分業化されているとは知っていましたが、まさかスープ場とは驚きました。でもここで凄いショックを受け、料理人としての姿勢を学びました。多いときは2千人分ものコンソメスープを用意するのですが、とにかく分量はもちろん、手順、時間、そして食材の大きさや産地なども徹底して同じなのです。たとえばセロリは○○産のこの大きさのものでないといけない、など。そうして選び抜かれた食材が届き、分量によってはじき出されたレシピで、皆が一丸となってきっちりと4日間かけて作り上げ、ホテルオークラならではの味を守り抜いているのです。だからこそこのコンソメを使った他の料理も、一流と呼ばれるのにふさわしい味へと展開できるのですね。今でも、この時に身に付けた作り方で手を抜くことなく、いつも変わらぬ最高のコンソメスープを作り続けています。これは料理に向う自分へ律していることのひとつでもあります。
それからありふれた食材でも、きちんと仕事をすることでより香りたち、甘みや旨み深まり、魅力が増します。どうやって最高の価値を引き出し、変化をさせていけるか。これも常に思っていることです。そんな中から、お客様に喜ばれている牛蒡のアイスクリームも生まれました。
3 今注目していること(食材・ジャンル)
「日本料理の技術や季節感の表現で、心豊かな料理に」
ぐるなびの料理コンテストでシェフのための研修制度があるのですが、それを利用して、村田吉弘氏のお店『京料理 菊乃井』で研修をさせていただきました。出汁の取り方、食材の使い方、全て驚くことばかりでした。そして村田氏ほどの料理人なのに、お客様に出す寸前まで濃度のチェックや味見をし、ここだという頂点の味を見極めていらっしゃる。また、盛り付けなども、山にいるわけではないのに紅葉を感じ、情景が広がってくるような、素晴らしいものでした。日本料理の伝統、そして心豊かな食の世界に魅せられました。これからは和食についても学び、ヘルシーで、日本人ならではの心豊かな表現をプラスしていきたいですね。そしてお客様にもっと喜んでいただけるように、励んでいきたいと思います。

お題レシピに挑戦!

前回のシェフが、紹介するシェフに「お題食材」を与え、今回のシェフがレシピを考案!

今回のお題食材は、ゆりね(百合根)

ゆり根の生チョコゆり根の生チョコ

あまりフレンチでは使わない食材です。マッシュして付け合わせにするくらいでしょうか。味にインパクトもないので、どうやってメインにしようか迷いました。そしていろいろ考えた結果、その上品な甘みと繊細な舌触りを活かして、一口サイズのプティフールにしました。
ゆりねの鱗片が、花びらのようなので飾りにも使いました。紅茶やハーブティと召し上がっていただけたらと思います。

調理のポイント1:
ゆりねは、バラバラにすると掃除が大変なので、固まりのまま茶色いところなどを取り、きれいになったものから1枚ずつそぎ取っていくとよい。
調理のポイント2:
食感を残すため、加熱時間に注意。
調理のポイント3:
飾りに、オレンジピールを使ってもよい。
調理のポイント4:
ココアパウダーやきな粉をまぶして変化を楽しめる。

吉川シェフに会えるのはココ!
神戸住吉オーガニックカフェTOKI

神戸住吉オーガニックカフェTOKI

住所:
兵庫県神戸市東灘区
住吉本町2-18-14
TEL:
078-841-0248
営業時間:
:ランチ11:00~14:00
ティー14:00~16:00
ランチ土・日・祝11:30~15:00(L.O.14:30)
ディナー金~日・祝18:00~21:30(L.O.20:30)
定休日:
水・第3木曜日

前回のシェフに会えるのはココ!
和風創作料理 旬香酒稲 Banzaiya ばんざいや

住所:
大阪府門真市新橋町8-25 ハーミッツセル1F
TEL:
06-6900-5563
営業時間:
ランチ11:30~14:00(L.O.13:40)
ディナー17:00~24:00(L.O.23:30)
定休日:
日曜日(ご予約がある場合のみ営業します)

次回ご紹介するのは

5年5ヶ月に渡り連載してきました「シェフがゆく!」を2010年2月を持ちまして終了いたします。
今後はより楽しんで料理を学べるコーナーへと生まれ変わる予定です。
長い間、ご愛読ありがとうございました。今後とも宜しくお願い申し上げます。

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